2年ぶり?3年ぶりか・・・「霧太郎〜」以来の南座。
諸々ありまして、京都にはなかなかいけないんですが、
今回は「どうしても亀治郎さんを観ないわけにはいかないわっ」
・・・という事で、行って参りました
演目は・・・
≪昼の部≫
一、双蝶々曲輪日記 角力場
二、曽根崎心中
三、連獅子
≪夜の部≫
猿之助歌舞伎十八番の内
通し狂言「加賀見山再岩藤」骨寄せの岩藤
ということで、26〜27日で夜の部2回・昼の部1回、観てきました。
とにもかくにも、夜の部。
チラシの解説のよりますと・・・
百万石を誇った加賀前田家に起きたお家騒動が背景になっていますが、歌舞伎の古典狂言「鏡山旧錦絵」に名作者河竹黙阿弥がその後日談として独自の趣向を加え、更に猿之助が早変わりや宙乗りなどを取り入れて独自の芝居をこしらえあげました。。。云々。
・・・とあります。
元々の「加賀騒動」とか岩藤と尾上の草履打ちの件とか、全然知らずに見ましたので、突然、岩藤の霊というのが出てくる事の意味が理解できずに暫く「???」という感じでしたが、イヤホンガイドや番付のおかげで、見ながら(ほぼ)理解できたと思います。
筋だけ読むと難しそうだけど、これを早変わりやなんかでテンポ良く退屈することなく進み、ムダなく理解できたし、とても面白く見れました。
とにかく早変わりが早いのさっ。
最初の「御台梅の方」がゆっくりゆっくりと、下手に消えていったと思ったら、次は、「多賀大領」となって花道から登場っっっ。そしてまた、梅の方がお出ましとなり、次に奴伊達平に変わり、そしてそして、とっても悪い望月弾正が登場。
序幕だけでこんだけ出てきますからねぇ。
岩藤の霊は、怖いというよりどちらかというとユーモラスというかコミカルというか
「成仏なんかしてやるか。祟ってやる」という意気込みを滑稽に表現していて
なんだろう。。。きっと嫌なお局だっただろうに、憎めないし怖くない(笑)。
花の山の場での桜見物をする岩藤の宙乗り
ご満悦の岩藤と客席が一緒に楽しんでいるという感じでした。
とても印象的なのは、鳥居又助。
忠義ゆえの悲劇といいますか、どうにも理不尽な展開でしたが
すべての話の解決にも繋がる大事な登場人物で、
切腹の場は涙なくしては見れませんでした。
大詰めでの弾正の殺陣は、完全なる悪あがきでしかないのに
メチャかっこいいから不思議です
長谷部帯刀も地味に素敵でした(おい)。
開演から終演まで、とにかく亀治郎さん出っ放しという感じで
ファンにとってはたまらない4時間半(厳密には休憩があるので3時間半ほど)。
いや、ファンじゃなくても歌舞伎がよくわからなくても
絶対に楽しめる4時間半だったはずです。
先に千秋楽の事も書いちゃうと、
カーテンコールがありまして、これまた早変わりを見せて下さいました
普通に殿様で幕が下りた後、再び幕が開いた時には「岩藤」が登場。
そして、他の出演者(こらっ)が一人ひとり登場した後、
最後に再び殿となって現われ(たしか殿だよね)、
客席の隅々までをジックリと見て、さらには花道まで出てこられ
再び客席の隅々までをジックリと眺め回し、
今度は開演前に出ているすべての役のスチールが登場(笑)。
そして、スチールのみを残して幕・・・と相成りました。
とにかく大興奮の千秋楽でした。
京都まで行ってよかった。
ありがとう亀治郎さん
7月に八千代座でお会いするまで暫しのお別れです